温泉施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第2版) | 日本温泉協会

温泉施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第2版)

温泉施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第2版)

2020年6月24日 公開

●温泉施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第2版)

 

会員各位

 一般社団法人日本温泉協会では、2020年3月27日に新型コロナウイルス(COVID-19)に対するガイドラインを作成しお伝えしてきましたが、今後、対応が長期化する様相を踏まえ、再度、新型コロナウイルス対応ガイドライン第2版として公開します。

2020年6月24日

1.日本温泉協会ガイドラインについて

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の意向を受け、今後感染拡大と社会経済活動の両立を図る目的で各事業者ごとに感染対策が異なり業者ごとに感染症対策を考え、ガイドライン等を作成するとしている。
 これらから、日本温泉協会としては温泉施設に求められる基本的な考え方や留意点について、当面の対策をガイドラインの形でまとめたものである。なお、感染症の状況によっては今後も必要な見直しを行っていく予定である。
 利用客や従業員の安全確保に努めているという温泉施設の対応のわかりやすい説明を利用客に明確に示すことが、利用客に安心を与えるために必要と思われるので、実行すること。

2.感染対策に対する基本的な事項

1)新型コロナウイルス感染症は現時点では、主な感染経路は接触性感染と飛沫感染と考えられていることから、温泉施設において、利用客や従業員等の具体的な動きや接触などを中心に感染対策を行う。

2)温泉における新型コロナウイルスの特性として
 温泉成分は様々あるがRNAウイルスである新型コロナウイルスは細菌とは異なり、容易に消毒はされないと考えたほうがよいと思われる。熱に対しては90℃程度以上15分間で不活化されるという報告はあるが、40~42℃・湿度60%程度の浴室での伝搬性が弱まることは考えにくい。高温多湿の環境では伝播が起こりにくいとする報告もあるが、浴室などでは湿度も高く咳をした場合の飛沫もある程度の時間浮遊すると考えたほうがよく、浴室など人が密集する場所に感染者を入れないことは重要である。しかし症状のない保菌者もいるため、定期的な換気や入浴時間の分散、浴室の清潔保持などは重要と考えられる。
 壁や物などに付着したウイルスは数日間生き続けることが報告されており、清掃に用いる手袋などは使い捨てのものが勧められるが、準備不可能であれば5個以上通常の市販のゴム手袋を用意しておき、洗い乾燥したものを5日以上の間隔をあけて使用するのも1つの方法と思われる。
 消毒はアルコール消毒がよいが、種々の消毒剤がありその場に適した消毒剤を用いるとよい。また通常の石鹸で洗ったり、単に清拭したり水洗いするだけでもある程度の効果は期待できる。

3)接触性感染予防として、利用客・従業員等が複数人が高頻度に触れるドアノブ、フロントデスク、筆記具、共用部の椅子・テーブル、電気スイッチ、電話、テレビやエアコンのリモコン、タッチパネル、レジ、水栓、手すり、エレベータのボタン、自動販売機、脱衣場のカゴ・棚、浴室の出入り口などは入念な消毒が必要である。
 また、糞便中にも新型コロナウイルスの排出が認められていることからトイレの定期的清掃も必要と考えられる。
 感染経路は手や飛沫の中のウイルスが目・鼻・口から侵入することが知られており、ふだんから目・鼻・口を触れないように気をつける必要がある。

4)飛沫感染予防として、フロントなど対面で対応する場所、食堂・レストランなどの長時間滞在し会話する場所、カラオケ施設や遊戯施設で大声などが出る場所での飛沫感染対策と、人と人との距離の保ち方などを考慮する必要がある。

5)基本的なソーシャルディスタンス
・従業員と利用客、従業員同士、利用客同士の接触を可能な限り避けるために、ソーシャルディスタンスを2mを目安に(最低1m)を確保できるような工夫を行う。
・チェックイン・チェックアウトに密にならないよう工夫する[空間的工夫(並ぶような場合、待つ位置の提示)と時間的工夫(時間差のチェックイン・チェックアウトなど)]。
・ロビー、食堂・レストラン、大浴場(脱衣場・浴室)など同時に利用する可能性がある場所では、椅子・机・脱衣カゴ・棚、ロッカーの配置など空間的工夫と、利用時間などの時間的工夫を行う。  

6)消毒について
・各出入り口の手指消毒用アルコールなどの消毒設備の設置。
・自動販売機などのボタン・取り出し口の定期的な消毒。
・従業員や利用客と接する可能性がある場所ではマスクを着用すること。マスクの着用について利用客、従業員に周知すること。
・浴室、客室を含めた施設内の定期的で有効な換気を行うこと。
・施設内の定期的な消毒を行うこと(アルコールや他の消毒剤をその場に合わせて使うこと)。
・消毒・清掃作業を行う時には使い捨てのビニール手袋を使う。なければ通常のビニール手袋を先にアルコール消毒して使う。または5枚以上のビニール手袋を用意して、使った後でビニール手袋を石鹸などで洗い乾燥させ、洗ってから5日以上後に順に使う。

7)従業員の健康管理を徹底すること
・発熱、だるさ、咳、痰、呼吸困難、味覚異常、嗅覚異常などの症状がある従業員は上司に連絡後、職場には出勤せずに診断治療を優先し、医師などの指示に従うこと。
・マスクは顔とのすき間をなくし正しく装着する。マスクの布には触れずにマスクを脱着するときにはひもの部分を持って行うこと。手で目・鼻・口などを触らないようにすること。
・従業員の手洗い・うがいや手指消毒を徹底して行う。
・従業員の衣服やユニフォームなどはこまめに洗濯し清潔なものも身に着けること。

8)利用客の健康チェックをすること
 発熱や咳などの新型コロナウイルスの症状がある利用客は、利用を自粛していただくこと。入館時のアルコール消毒などを奨励すること。

9)物品など
・多くの人が触れる物や場所については、触れる物の工夫などを行い接触機会を少なくするとともに、定期的な消毒を行う。
・食器・コップ・箸など、直接、利用客の口や手に触れるものは、適切に洗浄・消毒するか、割りばしのように使い捨てのものにする。
・人と人とが近接して話すような場所は、2m(最低1ⅿ)以上の距離を保つか、アクリル板・透明ビニールカーテンなどで飛沫感染防止を行う。アクリル板などの清掃は適宜行うこと。その際アクリル板やビニールカーテンは燃えやすい素材なので火や加熱装置などに気をつけること。
・アルコール消毒液などを、玄関・廊下・脱衣所・休憩所・従業員出入口・トイレなどに設置し、利用客や従業員がいつでも簡単に使えるようにすること。従業員は可能であれば、消毒液を小さなボトルなどに入れ常に携帯し、どこでも消毒できるようにしておくことが望ましい。
・利用客・従業員・出入り業者には、無症状感染者や保菌者がいる可能性を常に考えて、感染防止に努める。

3.各場面での注意事項

1)利用客のお迎えの時
 送迎車の換気を常に考慮し、待機時には窓などを開けて換気し、可能であれば乗車時近くからエアコンなどを入れるようにする。利用客が触れるドアノブ、手すりシートなどは適宜アルコール消毒などを行う。運転手は利用客の荷物などにも触れる機会が多く、手を適宜消毒する。運転手は車内ではマスクをし、会話はなるべく控える。車内で密にならないように適切な人数で運行する。また利用客の席はなるべく間隔を開けて利用していただくことを考慮する。

2)来館時(ロビーなど)
 入館時の新型コロナウイルス感染者のチェックの観点から、発熱・咳・のどの痛み・だるさ・呼吸困難・味覚異常、嗅覚異常などの症状が軽度でもあるかどうか、利用客に申し出ていただくように呼びかけるようにする。利用客から申し出があった場合は、同意を得た上で、医療機関に連絡しその指示に従うようにする。
 入り口には入館時の消毒のため必ず消毒液を設置し、手指消毒をお願いする。
 ロビーなどで待つ時には、密にならないように間隔を開けたソファーの座り位置などわかりやすく示すようにしておく。

3)フロントでのチェックイン
・待つ時には一定の間隔を開けた待ち位置の提示などをする。また、予約客など概要がわかっている場合には、客室でのチェックインやスマートフォンなどのチェックインなどオンライン化に切り替えてもよい。
・フロントデスクでは従業員・利用客間の飛沫感染などを防ぐためにアクリル板や透明ビニールカーテンなどを設置してもよい。金銭の授受も支払い用のトレイ(皿)などを用意し、直接手などに触れないような工夫や、カード決済などのオンライン決済の導入も望ましい。
・筆記具などは各利用客ごとの適切な消毒や交換を行う。
・利用客に感染対策を正しく行っており、安心して施設を利用していただけることを書面などで示し、フロント職員がマスクなどを感染予防のためにしていることなどを明示する。また、新型コロナウイルスへのこの温泉施設での取り組みなどの情報提供を行うとともに、温泉施設利用中に、発熱などの症状が生じた場合には、直ちにフロントなどへ連絡しすることなどを伝え、客室の中にもメッセージを書いたものを置くようにする。
・利用客(宿泊者)名簿などの記載については、感染者が発生した場合に対応するために、利用客(宿泊者)名簿に連絡先など必要事項を記載いただき、個人情報の観点から適切に管理する。
・温泉施設内の案内などは口頭での説明は簡単にし、案内図や説明を書いたものを渡し説明するようにして工夫する。
・ルームキー・カードキーの受け渡しは、消毒をしたものを渡し、返却後は徹底した消毒を行う。
・利用客が多人数の時は代表者にまとめてチェックインしていただく工夫を行う。代表者以外の利用客は1か所に集まらずに、分散して待つようにうながす。

4)客室への案内
・廊下には消毒用のアルコールを設置する。
・手すりなどは適宜消毒する。

5)エレベーター
・エレベーター内が密にならないよう、エレベーターの重量センサーなどの設定を変更する(少人数でもブザーで重量オーバーを知らせる)など、少人数の定員の表示を行い、混み合っていたら次のエレベーターや階段をうながす。
・エレベーターの中で他人といるときには大声で話さないように表示などで注意する。
・エレベーターのボタンなど手指が触れるところは頻回に消毒する。

6)客室
・利用客のカバンなどを従業員が持った場合、案内後に手の消毒を行う。
・客室内の説明は、図などを作成し示すとともに、簡単な口頭での説明を行う。
・客室内で食事をする場合は、客室係の滞在時間が短くなるように食事・配膳内容を工夫する。
・布団の用意などを行う場合は、換気などを行うことが望ましく、短時間で終了できるように工夫する。
・エアコンで外気を導入するなど効率的な換気ができるように工夫する。また、利用客が定期的な換気を行うようにうながす。
・ふだん同居している家族以外の人との相部屋の場合は、互いの利用客の同意を得るようにする。多人数の団体旅行・修学旅行などの場合、ツアー開始前にすべての利用客に同意の確認を行うことをツアー責任者に要請する。

7)チェックアウト後の客室の清掃
7-1)客室はチェックアウト後に入念に消毒する

・客室内を掃除するときには窓などを開放し換気を良くして行う。
・利用客が触れたと思われるドアノブなどのを適切な消毒剤で消毒する。
・ドアノブ、ドア、スリッパ、手すり、テレビやエアコンのリモコン、金庫、スイッチ、スタンド、テーブル、椅子、冷蔵庫、電話機、ハンガー、トイレ、水洗トイレのレバー、便座カバー、便座のフタ、ペーパーホルダー、トイレの手すり、客室内の風呂、水栓、洗面台、鏡などの清拭や消毒。
・浴衣、座布団カバー(できなければ消毒剤を散布)、枕カバー、シーツ、タオルなどの消毒済みのものと交換。
・ゴミはビニール袋に密閉、廃棄する。

7-2)備品やアメニティなど
・湯呑、お茶請の皿、急須、コップなどは消毒済みのものと交換する。
・使用済のアメニティはすべて廃棄、館内用スリッパも消毒済みのものと交換あるいは使い捨てのスリッパを使用。
・ドライヤー、設置されているシャンプー・リンス・ボディローションなどの備品、鏡、靴べらなどの清掃・消毒。

8)大浴場
・入浴時間帯が集中し、浴室内の混雑を避けるため、混雑する時間帯を利用客に知らせるなどの工夫を行う。

8-1)脱衣室
・ドアノブ、脱衣カゴ、ロッカーキー、脱衣棚などの定期的な消毒。
・水分補給のための、飲料サービス機器のボタンなどの定期的な清掃・消毒。
・利用客の距離が保てるよう脱衣カゴ、椅子などの配置の工夫。
・足ふきマットの清掃、消毒、交換。
・タオルなどは浴室での貸し出しタオルは極力使用しないようにして(もし使うなら十分な消毒をしたものを使用)、客室に配置した個人用タオルを持参し使用する。
・換気を十分行う。
・ドライヤーなどの定期的な清拭・消毒、アメニティなどの清潔保持。

8-2)浴室
・床面の定期的な清掃。湯おけ、シャワー、水栓、鏡などの定期的な清拭消毒。
・入浴前にかけ湯やシャワーなどで手足だけでなく顔もしっかりと洗い流すようにする。
・シャンプーや石けんで頭・顔・手足・体をすみからすみまでよく洗ってから入浴する。石鹸や湯などで洗い流すだけでもウイルスは消滅はしないが数が減り感染の機会が少なくなる。
・マスクは浴室内で付けられないので、もし浴室内で咳をするときには、タオルなどで口をおおうこと。そのタオルは浴槽には入れず、そのまま持ち帰り洗ってもらうこと(浴室での咳エチケット)。
・サウナなどの個室がある場合は定期的な換気と室内清掃・消毒を十分行うこと。
・入浴中の人と人との距離(ソーシャルディスタンス)の確保と大声で話さないことなどを利用客に協力を要請する。

8-3)休憩スペース
・ソーシャルディスタンスを保てるように椅子などの数と配置の工夫を行う。
・換気の配慮を常に行う。
・大声での会話などの自粛の要請。
・テーブル・椅子・マッサージ機器、体重計などの清掃・消毒。

9)食堂・レストラン
 食堂・レストランなどは、接待を伴わない飲食店に、宴会などは接待の伴う飲食店、カラオケなどの遊戯施設などに準じて都道府県の指示に従うことを原則とする。なお、いずれの場合でも人と人との距離(ソーシャルディスタンス:可能な限り2m以上、最低1ⅿ)と大声など飛沫が散乱しないような注意、会場の十分な換気が必要である。

9-1)食堂・レストランでの食事
・利用客には移動中、食事の前まではマスクをしていただくように要請する。
・発熱・咳・だるさ・味覚障害・嗅覚障害のある人は食事を遠慮していただき、医療機関につなげるなど適切な対応を行う。
・来場・来店時には、手洗い・消毒などをしていただく。
・ふだん同居している家族以外の人との食事の場合は、距離が保てるように座席を配慮する。
・多人数で一緒に食事をする宴会などの場合は、人と人との距離が保てるような座席の配置の工夫を行う。
・一緒に食事をする人を少人数にしていただき、可能であれば食事の時間も短くできるような工夫をする。
・可能な限り、お茶の急須・どびん、水のピッチャー、ご飯のしゃもじなど食器を共用しない。
・利用客同士の接触感染を防ぐために、お酌や回し飲みなどを控えていただくよう要請する。
・料理の説明などは、献立の中などに書くようにし、従業員と利用客との会話を少なくするように工夫する。
・刺身盛りや鍋料理はなるべく1人用にする。できなければ、従業員が取り分け、利用客どうしの食物や食器での接触の機会を少なくする。
・トイレなどに行くなど自分の席から離れて移動する場合はマスクを着用してもらうように要請する。
・火を使う食事では、アルコール消毒直後の手で操作しない(アルコールが燃えてやけどをする可能性があるため、完全に乾いてから操作すること)

9-2)ビュッフェスタイルの食事
・基本的事項は食堂レストランと同じであるが、ビュッフェスタイルの場合は人と接触する機会が増えることから、可能な限り、ビュッフェスタイルを止め、セットメニューなどで対応する。
・ビュッフェスタイルの場合は、料理を小皿に分けて提供することを心掛ける。
・トングや箸の共有をなくし、取り分けが必要な形式を極力なくす工夫をする。
・食事を取りに自分の席から離れる場合はマスクなどを着用していただくよう要請する。

9-3)食事の準備・後片付け
・ビニール手袋とマスクなどを着けて作業を行う。
・お膳、椅子、座布団などの開始前・終了後の消毒。
・メニューブック、テーブルにセットされている備品や調味料入れなどの消毒。
・運搬用の機器の掃除・消毒を行う。
・利用客同士の接触感染を防ぐため、下膳(後片付け)の食器などと触れないように、次の配膳(料理などを提供するとき)を行うようにして、可能な限り配膳と下膳を一緒に行わないようにする。
・食べ残しはビニール袋などに入れ適切に処理する。
・後片付け終了後の手洗い・手指消毒などの従業員の衛生管理を徹底する。

9-4)客室での食事
・基本的には食堂・レストランでの食事と同じであるが、ふだん同居している家族などでない場合は、密閉・密集空間を作りやすいことに配慮する。
・食事後の後片づけでは換気を十分に行う。

10)遊技場
遊戯器具の特に手を触れる場所、顔の近くのガラスなどを念入りに消毒する。
・人と人との距離が保てるような工夫をする。
・大声で話などをしないよう自粛を要請する張り紙などを提示する。

11)喫煙室
喫煙室がある場合は、特定の時間に集中しないように、一度に入室できる人数を制限するために定員を提示し、利用客に遵守していただくように要請する。

12)チェックアウト時
・チェックアウトでフロントなどが混み合わないよう、時間を利用客に知らせるなど工夫する。
・ルームキーの返却については、箱の中へドロップインしたり、デスクの上の皿などに置いたりして、手が触れないような返却の仕方を考える。
・カード決済などで対面する時間を少なくし、利用客と接触を少なくする工夫を行う。

13)利用客の送り出し
・利用客と握手などは極力行わないようにし、口頭や仕草などで送り出すようにする。
・送迎車などでの送りは、お迎えした時と同様、車内での座る位置の工夫、運転手との会話、荷物の操作後の消毒などは基本的に同じである。

14)その他、特に気をつけていただきたい場所
14-1)調理部門
 
利用客の口から体の中に入る料理を作るところなので、まずは料理人や料理を運ぶ人などの健康管理が重要である。もし新型コロナウイルスを疑う症状があれば、出勤停止とし医療機関などで診ていただく。無症状の保菌者もいるので、料理をする場所に入るときに、手と顔を洗い、さらにアルコールなどによる手指消毒を徹底的に行う必要がある。料理を作る際はマスクなどをして感染予防をする。退室時も同様に手指消毒を行う。

14-2)共用部分・従業員用のトイレ
・新型コロナウイルスは大便の中に排出されることが分かっており、特にトイレで洋式トイレや和式トイレの清掃が重要と思われる。使用するときにはマスクを着用することが望ましい。保菌者や感染者の手などについたウイルスは便座を開け閉めするときに便座カバー、水を流すときに触れるレバー、トイレットペーパーなどの操作時にフタに触れることがあり、これらの場所を念入りに消毒する必要がある。なお、便器そのものの清掃は触れることや飛散させることが少ないと思われるので、通常の清掃を行う。
・清掃後のトイレットペーパーを三角に折るなどはしないほうが感染が防げる。
・使用後の手洗いをした後に拭く共通のタオルは廃止し、使い捨てのペーパータオルや個人持ちのハンカチなどで対応していただくようにする。
・ハンドエアードライヤーなどは手についたウイルスなどを飛散させてしまう可能性が高いので、使用停止にする。
・トイレの換気は十分に行うようにしておく。

14-3)事務部門
・事務部の清掃消毒は通常の会社などと同じで、間隔を開けた机などの配置、電話や文房具などの徹底した消毒管理。筆記具などは個人持ちのを使う。
・コンピューターなどのキーボードやマウスの徹底的消毒、画面の消毒、机や椅子の消毒などである。
・特に共有して手などが触れる場所に注意し消毒を行う。大きな声での会話は自粛する。

14-4)従業員の休憩スペース。従業員用食堂など
・クラスター感染が生じやすい場所なので、十分な注意が必要である。
・換気を十分行うようにする。
・人と人の距離を保つように休憩時間なども考慮して使用する。
・使用するときは、食事をするとき以外はマスクを着用する。
・大きな声で話したりせず、密閉・密集・密接の3密を防ぐようにする。
・共有のテーブル・イスなどの使用前後の消毒。
・部屋の利用の前後には手洗い手指消毒などを徹底して行う。

4.利用客、従業員に感染症が疑われる場合

 温泉施設以外の場所で新型コロナウイルスの感染者に濃厚接触した場合、家族などに感染者や感染が疑われる人がいる場合、発熱・咳・呼吸困難・だるさ・味覚異常・嗅覚異常などの症状がある場合は従業員は出勤を停止して医療機関を受診するなど適切な対応をする。
 温泉施設内で新型コロナウイルスの感染を疑う場合は、従業員は仕事を中止し個室で待機させる。利用客の感染を疑う場合は、一緒に来た同行者を含め客室内で待機させ、外出しないように要請する。利用客の了解を得て医療機関・保健所などに連絡し、感染が疑われる利用客や従業員の状態や症状を伝える。その後は医療機関・保健所の指示に従って行動する。実際に陽性が判明した場合は保健所などの指示に従った消毒やその後の対応を行う。
 感染が広がらないように感染者が利用した日の宿泊者を確認し、必要であれば保健所へ情報を提供する。他の利用客や従業員などへの情報連絡は保健所などの指示に従う。

5.付録 手洗い方法について

1.アルコール消毒と石鹸の手洗いは、どちらが効果あるか?
 
アルコール消毒のほうが優れている。30秒間の手指消毒効果を比較では、石鹸では手に付着した菌の減少が約1/60~1/600であったが、アルコール消毒剤では1/3000にまで減少した(5倍~50倍)。しかし石鹸でもある程度の効果はある。

 アルコール消毒は、短時間で確実に減らすことができるので、石鹸の手洗いより高い効果が期待できる。また、手が荒れていると細菌が増殖しやすいが保湿剤が入っているアルコール消毒液には手荒れが生じにくい利点もある。最もよいのは石鹸で目に見える汚れを落とした後にアルコール消毒を行うのがよい。

2.ジェルタイプと液体タイプ
 
消毒効果に大きな違いはないが、ジェルタイプは爪など細かな部分の消毒が不十分になる危険性がある。一方、液体タイプは床にこぼれ落ちやすいという欠点があるが、爪先まで液に浸すことができるので消毒効果は優れている。皮膚の保湿面ではジェルタイプが優れている。

3.石鹸での手洗い方法

 

4.アルコールでの手指消毒方法

温泉施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第2版)[PDF:570KB]
(監修:一般社団法人日本温泉協会 副会長・学術部委員長 国際医療福祉大学 医学博士 前田眞治)

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